家財評価
家財とは、一般的には個人が日常の家庭生活用具として所有している家具、電機製品、衣類、身回品、寝具類、食糧品、燃料、その他家庭生活に必要な一切の物品を包括したものをいいます。
したがって、居住者(被保険者)の職業によっては、ある物品が家財かどうかの判定は難しい場合もありますが、一般的な社会通念で判断することになると思われます。
家財についても、時価額の算出に際しては、新価額(再調達価額)から使用による損耗および経過年数等に応じた減価額の控除を必要とすることは建物や設備機械等継続使用財の場合と同様ですが、家財はその種類が極めて雑多である上に、個々の家財の使用頻度、使用方法の適否、保有数の多寡等による耐久性の相違があるため、詳細な減価基準を設けることは困難です。
しかしながら、新婚家庭や地方の旧家(新品や古品の多い家庭)は別として、個々の家財の新陳代謝による効用の持続性を考慮して、保険証券記載の建物に収容されている家財全体の包括的減価率を設定することができると考えられます。
経年減価額=新価額(再調達価額)×減価率
家財は、年齢、家族構成、生活水準(職業、資産、収入、趣味、嗜好等)などによって、世帯ごとに異なります。
各世帯によって異なる家財を精緻に評価する方法として、一つ一つの家財の新価額(再調達価額)を積み上げていく積算による手法が考えられます。
しかし実務においては、家財の一つ一つを積算していくことは煩雑ですし、契約者のプライバシーへの配慮なども必要です。そこで積算による評価が馴染まない場合には、簡易的に評価することが考えられます。
家財は、各人の家庭生活を維持するために所持する生活用具の総和ですので家財を使用する家族の構成は、そのまま家財の内容に反映していると考えられます。したがって、家財の評価はまず、対象家庭の家族構成およびその消費生活等の実態を把握することが重要です。
すなわち
①家族の構成人員(年齢別)
②家族の生活水準(職業、資産、収入、趣味、嗜好、生活様式等)
③その他収容建物の広さ、地方的慣習(たとえば、伝統的に仏壇、仏具に凝る土地柄)または特殊事情(たとえば、土地の旧家の祭礼用具、伝来の什器、嫁入り前の結婚調度品)等が重要な要素としてあげられます。
次に家族の生活が反映する家財は、それが多種多様な物品から構成されていても、家財相互間にはある種のバランスが保たれており、しかもそれが生活用具である以上、特異なケースを除けばどの家庭にあるものも、数量、品質は別として家族人員別、種類別の構成が大同小異になっているということになります。
以上の前提に立てば、いくつかのモデル家庭の家財を想定し、それに対する対象家庭の家族構成と生活程度の差を考慮すれば大つかみながら家財の一般的な評価ができるものと考えられ、簡易評価表を用いたり、評価モデルを基準に調整を行う手法も有効であると考えられます。
1.評価の方法

家財は建物と同様に継続的に使用されるものですが、実際にどれだけの品目・数量があるのかを見積って評価することが基本です。また、新品は別としてそのほとんどの物が、使用あるいは時の経過による何がしかの損耗を生じています。したがって、時価額の評価については、保険価額の性格上、新価額(再調達価額)(新品の再取得価額)から相応の経年減価額の控除を行ない価額を算出する必要があります。また、その算出にあたっては、客観性ある市場価格により評価することが必要であって、恣意的な個人の主観によって評価するようなことがあってはなりません。時価額の評価方法を計算式に表すと以下の通りとなります。
時価額=新価額(再調達価額)一経年減価額
3.経年減価額の算出

