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不動産鑑定評価の方式としては、原価方式(復成式評価法)、比較方式(取引事例比較法)、収益方式(収益還元法)等があります。ここでは火災保険で広く採られている原価方式(復成式評価法)を中心に解説します。


原価方式(復成式評価法)とは、保険の目的と同一の構造、用途、質、規模、型、能力のものの新価額(再調達価額)を算出し、それから使用損耗および経過年数等に応ずる減価を控除して現在価額時価額)を評価する方法です。


新価額(再調達価額)を算出する方法としては、建物の場合はその再築費を、また、機械・営業用什器備品等の場合は取引価格を基準とする方法がありますが、これを推算する簡便な方法として、評価対象物件の取得時における新価および取得時から評価時までの価格変動率がわかっていれば、その新価に価格変動率を乗じて算出する方法があります。


次に経年減価の方法については、いわゆる定額法・定率法等の計算方法があげられますが、保険価額の評価としては定額法を標準として使用します。


定額法とは、時の経過とともに減価が平均的に発生するという考え方で、交換価値よりも、主に使用価値に重点を置く継続使用財の評価に適した手法です。そして、その使用価値が何年得られるかを基準に経過年数に応じた減価を考えていくのが経年減価の概念です。


したがって、定額法の場合、経年減価は毎年一定となります。
一方、定率法は、時の経過とともに減価が一定の割合で発生するという考え方です。


つまり、最初は新価額(再調達価額)から一定の減価率を乗じた減価額を控除し、その次のときは残額(新価額(再調達価額)一減価額)から初めと同じ一定の減価率を乗じた減価額を控除します。以後は最終残価までこれを繰り返します。


ところで、税法上は企業経営の健全性の見地から政策的に定率法を認めています。このため、資産台帳等は定率法による評価が多く、定額法による場合に比べ、評価は低くなるので、資産台帳上の評価額による付保は著しい一一部保険となる場合があり注意が必要です。

 

なお、取り壊し期限の決まっている建物などは、定額法による経年減価の考え方は妥当ではありません。この場合には残存使用価値を考えて評価する必要があります。


比較方式(取引事例比較法)とは、市場における取引事例を基礎とし、対象不動産と同種、同等の不動産について仕様、経過年数等を比較対照として、対象不動産の価格を求める評価方法です。


収益方式(収益還元法)とは、対象不動産が将来生みだすであろうと期待される純収益の現在価格を求めるものであり、標準的な年間純収益を適正な還元利回りで資本還元して対象不動産の価格を求める評価方法で、通常、収益を目的とする不動産、たとえば貸ビル、賃貸住宅等の評価に用いられます。

 

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